精霊と結婚した男―モロッコ人トゥハーミの肖像 (文化人類学叢書)
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によって ヴィンセント クラパンザーノ
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内容(「BOOK」データベースより) これは、トゥハーミという名のアラブ系モロッコ人の物語である。彼は文盲のかわら職人で、自分の働く工場で窓のない物置部屋に住み、社会とは隔絶した生活を送っている。そして、アイシャ・カンディーシャという女の精霊と「結婚」しており、日常生活のさまざまな面を―とりわけ性愛生活を―完全に支配されていた。著者は、トゥハーミに対する度重なるインタビューを通して、その奇妙な心理世界に分け入り、それをなまなましく描き出す。そこには、オリエント的なエロティシズムや、イスラム世界の風変わりな精霊信仰がみなぎり、読む者を飽きさせない。トゥハーミの人生は読者に、一種の幻想的世界を垣間見せてくれるだろう。
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クラパンザーノ(1939-)は哲学学士をおさめたのち、1968年モロッコにフィールドワークに入り、(モロッコ研究ではないが『フォスター・ベネットの第五世界―あるナバホ人の肖像』(’72)、)『ハマドゥシャ教団―モロッコの民族精的神医学の研究』(’73)及び『精霊憑依における事例研究』(’77)、をまとめ、本書に臨んだ。トゥハーミはその調査の中でも特異な関係を取り結んだアラブ系モロッコ人、禿頭をした瓦職人であり、彼はアイシャ・カンディーシャという名の「精霊と結婚」していた。本書は序章と終章にはさまれた5つの章から構成されており、1、3、5章がトゥハーミとの対話と簡潔な解説、2、4章でその理論的考察を行っており、第2章では主にモロッコ文化の枠内でのトゥハーミの理解を、第4章では調査助手となったラハセンとの3者関係など、民族誌的調査方法の内省を通じてトゥハーミの理解を探っており、こうした理論的考察には、精神医学のマノーニやエリクソン、実存哲学のサルトルやキルケゴール、社会学のジンメルやミードといった、古典的な人々の名前が出てきて本書を読むと「懐かしい」。精霊や幽霊との結婚という主題は古くから報告があるので、人類学では知識としては特に珍しくもない。だが、トゥハーミとの出遭いと別れを通じて、「現実的なもの」と「想像的なもの」との重みづけが、自らとは異なった人々と絡みあい、そこから上述したような過去の精神医学も人類学も、いずれもそのままでは承服しがたいほどに相対化される。この対話と考察の分裂した、しかし、ぎりぎりの均衡が、本書を実験的民族誌の古典たらしめているものだろう。クラパンザーノは本書の後に数冊の本を著し、同時代アメリカの相対化と、それ以外のあり方への展望をしているが、こうした方向性自体が、70年代初頭に他界したトゥハーミという「精霊と結婚した」もう一人の男のなせる技ではなかったのかと思わされた。
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